
国道180号線を北上し、吹屋(ふきや)ふるさと村方面の案内標識にしたがって左折し、かぐら街道と呼ばれている道を辿りました。暫くは変哲のない長閑な田舎道ですが、突如として雰囲気が一変する村里に入りました。そこが、国指定の重要伝統的建造物群保存地区である、ベンガラの村、吹屋の入口でした。
この村で最初に訪れたのは、横溝正史原作である、あの忌まわしい映画「八つ墓村」のロケが行われたという広兼邸です。次いで、昔は黄道鉱や硫鉄鋼を産出したという笹畝坑道を訪れ、この日の宿として予約してあった「ラフォーレ吹屋」へ向かいました。そして、車を置いて吹屋の町並みを散策しましたが、皆様方にも、訪れをお奨めしたい所です。
翌8月20日、吹屋の町並みからはちょっと外れた所にある西江邸に立ち寄った後、私は井倉洞へ向かいました。吹屋街道と道路地図にある県道33号線(新見川上線)などを辿って行きますと、やがて国道180号線に出ますが、その直ぐ近くに井倉洞はあります。その井倉洞で、思わぬものに出くわしましたが、それは駐車場から井倉洞へ至る道の途中にあった小さな五重塔です。単なる観光用のモニュメントではなく、何やら祀られていましたが、私の塔のリストからは外しました。
井倉洞を見物した後、私は、高梁川に沿う国道180号線を北へ向かいました。暫く行きますと、JR伯備線の石蟹(いしが)という駅が右手に現れますが、ここら辺りから、運転に注意しながら、ちらちらと右手に視線を向けていました。といいますのは、中西亨先生の「日本塔総鑑」に、次のように記されていたからです。
小塔では新見市正田にある恵重寺五重小塔が、伯備線の車窓からも見えるのでご存じの方が多い。一辺九十一センチの小さいもので、高さは四・五メートル位、昭和二十七年の建立という。
井倉洞の近くにあった五重小塔も、同年の建立です。
☆ ☆ ☆
月並みながら月日の経つのは早いもので、今日で6月も終わりで、今年も半年が過ぎようとしています。お中元シーズンも、後半戦といったところでしょうか。お中元に、山形県の涼やかな特産品、メロン、ブルーベリー、さくらんぼなどは如何でしょうか。であれば、こちらで、 ↓ どうぞ。
